インプラントは患者様の全身状態、口腔内の状態全身によっては、インプラント治療ができない場合があります
また、健康な人でも顎の骨の状態によってはインプラント治療が適さないケースもあります。最近では、骨の造成術等の医療技術の進歩により、インプラント治療の適応範囲が広がっていますが、通常のインプラント手術の前に骨を増やすための手術が必要となります。いずれの場合でも、インプラント手術前の検査(診査・診断)が重要です。インプラント手術前の検査では、レントゲン(X線)写真や模型による診査・診断が主に行われます。
インプラント手術を受ける前に、現在の状況、治療の内容、治療後予測される結果、費用等について理解し、疑問や不安をなくしておくことが大切です。
40年前に最初にスウェーデンで施術された患者さんのインプラントは、現在も機能しています。日本製のインプラントはヨーロッパの製品に比較すると歴史は浅いのですが、一般的に術後10年経過した残存率は90%以上と言われています。
もちろん、一生使うことも十分可能ですが、患者さん個々の、お口の中の衛生状態やかみ合わせの状態などに左右されますので、何より日頃のお手入れと、定期的な検診が大切です。歯を失った時の悲しみを忘れないで、日頃のお手入れをしっかりと行って下さい。
お手入れと言っても、特別な難しいことをするのではなく、お口の中のブラッシングをきちんとして、インプラントと歯茎の境目をきちんと磨くようにして下さい。歯間ブラシやデンタルフロス(インプラント用があります)が有効ですが、ご自宅でのお手入れの方法については、かかりつけの歯科医院の先生やスタッフの方に指導していただくと良いでしょう。
また、インプラント治療を行い、虫歯がなくなったとしても、必ず定期検診を受け、お口の中の状態やインプラントのチェックをして頂いて下さい。
インプラントに使用されている原材料は純チタンが主流です。純チタンは生体への親和性が高く、アレルギー等の心配が不要な金属ですが、まれにチタンにアレルギー反応を起す患者さんもいらっしゃいます。心配でしたら事前にチェックすることをお勧めします。
歯には、繰り返し強い力がかかります。そのため、インプラントにセメントやスクリューで固定されている人工歯の部分がはずれたり、ゆるんだりすることが稀にありますが、医院で早めに付け直したり、締め直しすれば問題ありません。
なお、インプラントは設計開発の段階で、人間の噛む力にあわせて強度的に問題のないインプラントシステムを設計していますので、通常では折れることはありませんが、人間の噛む力というのは、時としてる想像を超えた力がかかることがあります。普段食事をしたり会話をする時よも、睡眠中の歯ぎしり(ブラキシズム)の時に、特に大きな力がかかると言われています。そのような力が長期的に継続して加わり続けることによって、極めて稀にインプラントが折れることも起こり得ます。(就寝前にマウスピース(ナイトガード)を装着することで、睡眠中の歯ぎしり(ブラキシズム)からインプラントを守ることができます。)
もし、インプラントが抜けたり、撤去することになった場合、その部分の骨のダメージが少なければ、骨が再び出来のを待ってから、再度インプラント治療を行うことも可能です。この場合は、インプラントが抜けたり、撤去することに至った原因を調べて、再発防止のための対策をたてておく必要があります。
・見た目が天然歯に近い
抜けた歯の部分にインプラントをいれても、他の天然歯と違和感なく見えます。
・周りの歯を削る必要がない
ブリッジなどを装着する場合、まだ元気な歯を削って装着箇所を確保する必要がありますが、インプラントはそれ自体が一本の歯として機能するので、周りの歯の負担が少なくなる。
・しっかり噛める
まるでほんとうの自分の歯のように、しっかりと食べ物を噛む事ができます。
・定期的なメンテナンスが必要
インプラントは人口の歯根なので、もちろん神経が通っていません。定期的に歯科医院に通院し、歯科医師のチェックが必要です。また、日々のブラッシングもより丁寧に行う必要があります。
・治療費が高額
インプラント治療は保険診療として認められていないので(自由診療)、最終的な治療費が高額になります。事前によく歯科医師と相談の上、治療を行ってください。
・他の病気が原因で、インプラント治療ができない場合がある
糖尿病や骨粗鬆症などの口の中の病気以外でも、インプラント治療ができないケースがあります。事前に歯科医、もしくはその疾患の主治医とよく相談をしましょう。